

CIとはその企業の特徴や個性(理念)を明確に提示し、共通したイメージで顧客のみならず社内においても認識できるように働きかけることです。
CIというと、その企業のシンボルマークを連想しますが、そのようなシンボルマークのデザインという視覚的要素だけではありません。企業理念や企業行動などあらゆる面を含めた企業イメージの統一をはかり、他社との明確な差別化をしていく企業活動。それがCIなのです。
もう少しわかりやすくするために、次の3つの項目から考えてみます。
そしてこれら3つの項目を通して、企業のアイデンティティ(特徴、個性)を打ち出し、企業内外に理想的なイメージを形成する(どのように見られたいか)、総合的な経営プロセスと言えるでしょう。
企業は様々な活動を通して、顧客や従業員、その他の社会にメッセージを送り出しています。人々はそのメッセージを受けることによって、その企業にある種の"思い込み"を持ちます。企業イメージとは、メッセージの受け手側が持つ、この"思い込み"にほかなりません。企業イメージとは製品やサービスの中にあるのではなく、メッセージの受け手側の頭の中に息づいているのです。ですから、社会に対して企業の特徴や個性をはっきりと打ち出し、望ましいイメージを獲得するためのメッセージ伝達手段が重要になるのです。
メッセージは人間の五感を通して伝達されます。しかしながら企業イメージの八割近くは、視覚を通してつくられるといわれています。 目に見える行動や従業員の姿・態度、本社の建物や工場、車両、広告宣伝、製品、サービス、展示会など様々な機会、媒体により、受け手側がその企業のイメージを連想し、形づくっていきます。 そしてその伝達手段が、ある一貫したメッセージ(トーン)であればあるほど、望ましいイメージへの連想は強くなります。
「アップルコンピュータ」や「ナイキ」を考えてみてください。私たちが目にするものすべてに、ある一定のメッセージが込められていて、その企業独特の世界観(トーン)があることがわかるかと思います。 そして信頼感や、期待を裏切らないサプライズを常に提供してくれるといった好感度なイメージが感じられるのではないでしょうか。

CIを採用する目的は、顧客や従業員、その他の社会にその企業が求める望ましいイメージを持ってもらうことです。望ましいイメージを持ってもらうと、その企業に対する信頼感や期待感が芽生え、それが例えば製品やサービスにも付加していきます。競争の激しい市場においては、顧客に製品やサービスを選んでもらう重要な判断基準となり、単価設定にしても競合他社に差をつけることも可能になります。つまり競争力がつき、企業の利益率も上がるということにつながってゆくのです。 顧客に、そして社会に望ましいイメージで認識してもらうことは、企業外だけでなく、企業内においても重要な効果があります。従業員の自社に対する信頼感が増し、向上心が芽生え、企業としての結束力・求心力が強くなります。それは顧客への態度となって現われ、製品やサービスの質の向上につながり、それがまた顧客や社会にますます良いイメージを持たれるという相乗効果を生みます。
企業イメージは人々が企業に対して持っている思い込みです。この企業イメージを形成する要因は大きく二つに分類されます。一つは人々の実体験であり、企業が提供する製品やサービスの質を通して培われます。もう一つの要因は、視覚的表現や音などの感覚的印象によって培われます。この感覚的印象の核となるものがコーポレートシンボルであり、他との識別という役割と、企業特有の価値概念(特徴、個性)を象徴するものです。言い換えれば、企業の特徴や個性を盛り込める器と言いましょうか? コーポレートシンボルは、造形的に優れていることはもちろん、目に見えない価値概念をビジュアル的に反映したものでなければいけません。そしてそのシンボルを中心としたコミュニケーション活動が、価値概念に込められた"約束"を内外に明示していくことであり、一貫したトーンを生み、好ましいイメージを形成していくことになります。
